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鮭(しゃけ)と鱒(ます)の違い|それぞれの定義や特徴について

似ているけれど違う鮭(しゃけ)と鱒(ます)。

「鮭と鱒って何が違うのか知りたい」「鮭と鱒の定義がよくわからない」「鮭と鱒ってそれぞれどんな特徴があるの?」

この記事はそんな悩みを解決できる内容となっています。

それぞれの定義や特徴について詳しく解説していますので、鮭と鱒の違いについて知りたい方は是非参考にしてみて下さい。

 

【結論】鮭と鱒の違いは「味や食感」

鮭と鱒の違いは、味や食感です。

鮭と鱒はどちらもサケ科に属する魚で、見た目も似ていますが実は生物学上も明確な区別はされていません。

一般的には、海に下り産卵のために川に戻ってくるものを鮭、一生を川で過ごすものを鱒と呼んでいたようですが、生態が不明なうちに名付けられた魚もあり、鮭と鱒の差が曖昧になっているのが実状です。

では完全に同じなのかというと、そうではありません。種類の違いに明確な定義はないものの、鮭と鱒の味わいやいくらの特徴には以下のような違いが見られます。

まず鮭は、鱒に比べて脂がのっており、濃厚な旨味が特徴です。特に秋鮭は、産卵前の栄養を蓄えているため、脂が豊富で濃厚な味わいです。

一方、鱒は鮭に比べて脂が少なくあっさりとした味わいで、淡白な旨味が特徴です。特にニジマスは、身が柔らかく、上品な味わいです。

また、鮭いくらと鱒いくらの違いもあります。鮭いくらは粒が大きく、皮がしっかりとしており、プチプチとした食感が特徴で、濃厚な味わいです。

鱒いくらは鮭いくらに比べて粒が小さく、皮が薄いです。ねっとりとした食感が特徴で、鮭いくらよりもあっさりとした味わいです。

 

鮭(しゃけ)とは

鮭(しゃけ)の定義

鮭は、サケ科に属する魚の一種で、主に北太平洋や北大西洋に生息しています。明確な定義はないものの、鮭はアナドロマス魚であり、海で成長して産卵のために川に戻るという性質があります。

アナドロマスとは、海で成長し、産卵のために淡水に戻る魚のことを指します。この回遊性の生活サイクルは、鮭が広範囲にわたる海洋環境で成長し、豊富な栄養を摂取することを可能にしています。

そのため鮭は、成長過程で海の豊富な栄養を取り込み、鱒に比べて大きく成長することができます。

代表的な種類には、キングサーモン(マスノスケ)、シルバーサーモン(ギンザケ)、ピンクサーモン(カラフトマス)などがあります。

キングサーモンは、最大で1.5メートル以上に成長することがあり、その大きさと美しい銀色の体色が特徴です。シルバーサーモンは、その名の通り銀色の体色を持ち、脂がのった美味しい魚として知られています。ピンクサーモンは、比較的小型で、ピンク色の体色が特徴的です。これらの鮭は、刺身や焼き魚、スモークサーモンなど、さまざまな料理に利用されています。

鮭(しゃけ)の特徴

鮭の特徴としては、まずその大きさが挙げられます。キングサーモンは最大で1.5メートル以上に成長することがあります。

また、鮭はその美しい銀色の体色と、産卵期に見られる鮮やかな赤色の変化も特徴的です。産卵期には、鮭の体色が赤く変わることもあり、この変化は鮭の生態の一部として非常に興味深いものとなっています。

鮭は、成長過程で海の豊富な栄養を取り込み、大きく成長することができます。これにより、鮭は高いタンパク質含有量と豊富なビタミンD、ビタミンB12、そして豊富なオメガ3脂肪酸を含んでいて、心臓病予防や脳の健康維持に寄与するとされています。

また、鮭はその美味しさでも知られています。脂がのった鮭は、刺身や焼き魚、スモークサーモンなど、さまざまな料理に利用されています。特に秋鮭は、産卵前の栄養を蓄えているため、脂が豊富で濃厚な味わいです。

 

鱒(ます)とは

鱒(ます)の定義

鱒は、同じくサケ科に属する魚で、主に淡水に生息しています。こちらも生物学上は明確な違いや定義はありません。

鱒は一生を淡水で過ごすことが多く、比較的小型で、湖や川で見られることが一般的です。また淡水環境での生活に適応するために、特定の食物を摂取するといった生態的な特徴を持っています。

代表的な種類には、レインボートラウト(ニジマス)、ブラウントラウト(ブラウントラウト)、ブルックトラウト(イワナ)などがあります。

レインボートラウトは、その名の通り虹色の輝きを持つ体色が特徴的。ブラウントラウトは茶色の斑点が特徴的で、小型であることが多いです。ブルックトラウトは美しい体色を持つ魚となっています。

鱒(ます)の特徴

鱒の特徴としては、その美しい体色が挙げられます。レインボートラウトはその名の通り、虹色の輝きを持つ体色が特徴的です。

大きさ的には比較的小型のものが多く、最大でも1メートル程度と鮭に比べると小さめです。

鱒の味は鮭に比べるとあっさりしていて淡白で、焼き魚やフライ、ムニエルなどに利用されることが多いです。特にニジマスは、身が柔らかく、上品な味わいです。

また鮭と同様に、オメガ3脂肪酸を含む健康に良い魚として知られています。

 

鮭(しゃけ)と鱒(ます)の違い:まとめ

鮭と鱒の違いは、「味と食感」です。

鮭と鱒は、どちらもサケ科に属する魚で、似ている見た目の通り生物学上もはっきりとした区別はされていません。ですが味や食感には大きな差があります。

鮭は大きく成長し、脂がのった味わいが特徴的であるのに対し、鱒は比較的小型で、淡白な味わいが特徴です。さらに、鮭と鱒はどちらもオメガ3脂肪酸を含む高い栄養価を持ち、共に健康に良い魚として広く利用されています。

また生物学上は明確な違いは定義されていないものの、鮭は海で成長し、産卵のために川に戻るアナドロマス魚であるのに対し、鱒は淡水で一生を過ごすことが多い魚という違いがあります。

またかつて一般的には、海に下り産卵のために川に戻ってくるものを鮭、一生を川で過ごすものを鱒と呼んでいることもありました。ただし生態が不明なうちに名付けられた魚もあった為、現在では正しい情報とは言えないでしょう。

鮭と鱒はどちらも美味しく人気の魚で、いろいろな種類があります。是非それぞれの味や食感の違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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